こんにちは！今回は、Pythonを使ってGoogleスプレッドシートを読み書きする方法をご紹介します。この記事では、環境構築から基本的な操作方法まで、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
Contents
なぜPythonでスプレッドシートを操作するの？
Googleスプレッドシートは、Googleが提供する無料の表計算ソフトです。Excelと同じような機能を持ち、多くの人が仕事で使用しています。Pythonからスプレッドシートを操作できると、データ入力の自動化やレポート作成の効率化など、様々な業務改善が可能になります。
準備
環境構築の手順を詳しく見ていきましょう。
1. Googleアカウントを作成する
- Google アカウント作成ページ にアクセスします。
- 画面の指示に従って、必要な情報（名前、メールアドレス、パスワードなど）を入力します。
- 利用規約に同意し、アカウントを作成します。
2. Google Cloudアカウントを作成する
- Google Cloud Console にアクセスします。
- 右上の「無料で使ってみる」ボタンをクリックします。
- 画面の指示に従って、必要な情報を入力します。
- クレジットカード情報の入力を求められますが、これは本人確認のためで、自動的に課金されることはありません。
3. プロジェクトを作成し、必要なAPIを有効にする
- Google Cloud Consoleにログインします。
- 上部のプロジェクト選択ドロップダウンをクリックし、「新しいプロジェクト」を選択します。
- プロジェクト名を入力し（例：「スプレッドシートテスト」）、「作成」をクリックします。
- 左側のメニューから「APIとサービス」→「ライブラリ」を選択します。
- 検索バーで「Google Sheets API」を検索し、選択して「有効にする」をクリックします。
- 同様に「Google Drive API」も有効にします。
4. 認証情報を設定する
- 左側のメニューから「APIとサービス」→「認証情報」を選択します。
- 「認証情報を作成」→「サービスアカウント」をクリックします。
- サービスアカウント名を入力し（例：「スプレッドシートユーザー」）、「作成して続行」をクリックします。
- 役割は「基本」→「編集者」を選択し、「完了」をクリックします。
- 作成したサービスアカウントをクリックし、「鍵」タブを選択します。
- 「鍵を追加」→「新しい鍵を作成」→「JSON」を選択し、「作成」をクリックします。
- JSONファイルが自動的にダウンロードされます。このファイルは安全な場所に保存してください。
5. フォルダIDを取得する
スプレッドシートを特定のGoogleドライブフォルダに作成したり、既存のスプレッドシートにアクセスしたりする際に、フォルダIDが必要になります。以下の手順でフォルダIDを取得できます：
- Googleドライブ（https://drive.google.com/）にアクセスします。
- 使用したいフォルダを作成するか、既存のフォルダを選択します。
- フォルダを開いた状態で、ブラウザのアドレスバーを確認します。
- URLは以下のような形式になっています：
https://drive.google.com/drive/folders/1AbCdEfGhIjKlMnOpQrStUvWxYz12345 - この URL の最後の部分（例：
1AbCdEfGhIjKlMnOpQrStUvWxYz12345）がフォルダIDです。
このフォルダIDは、Pythonスクリプトでスプレッドシートを作成したり開いたりする際に使用します。
6. 必要なライブラリをインストールする
コマンドプロンプトまたはターミナルを開き、以下のコマンドを実行します：
pip install gspread
pip install gspread-formattingこれで準備は完了です！次は実際にPythonでスプレッドシートを操作してみましょう。
Pythonでスプレッドシートを操作してみよう
新しいスプレッドシートを作成する
import gspread
# JSONファイルへのパスを指定して認証を行う
gc = gspread.service_account(filename='path/to/your_json_file.json')
# 新しいスプレッドシートを作成する（フォルダIDを指定）
sh = gc.create('テスト1', folder_id='your_folder_id')
# 最初のワークシートを取得
ws = sh.get_worksheet(0)
# データを入力
ws.update('A1', 2024)
ws.update('A2', 'こんにちは、Pythonです！')既存のスプレッドシートにデータを入力する
# 既存のスプレッドシートを開く
sh = gc.open('テスト1', folder_id='your_folder_id')
ws = sh.worksheet('Sheet1')
# 広範囲にデータを入力
numbers = [[i, i+100] for i in range(1, 101)]
ws.update('A1:B100', numbers)スプレッドシートからデータを読み込む
# 1つのセルの値を取得
value = ws.acell('A1').value
# 1行または1列のデータを取得
row_data = ws.row_values(2)
col_data = ws.col_values(2)
# すべてのデータを取得
all_values = ws.get_all_values()シートの追加と削除
# シートを追加
new_sheet = sh.add_worksheet(title='新しいシート', rows=100, cols=20)
# シートを削除
sh.del_worksheet(sh.worksheet('新しいシート'))セルの書式設定を変更する
from gspread_formatting import *
# フォントを太字に、サイズを変更し、中央揃いにする
fmt = cellFormat(
textFormat=textFormat(bold=True, fontSize=15),
horizontalAlignment='CENTER'
)
format_cell_range(ws, 'A1:B1', fmt)
# 罫線を引く
border = Border('SOLID', Color(1, 0, 0))
fmt = CellFormat(borders=Borders(top=border, bottom=border, left=border, right=border))
format_cell_range(ws, 'A1:B2', fmt)まとめ
この記事では、Pythonを使ってGoogleスプレッドシートを操作する方法を、環境構築から基本的な使い方まで詳しく解説しました。最初の準備には少し時間がかかりますが、一度設定してしまえば、その後の操作は非常に簡単です。
これらの技術を使えば、データ入力の自動化やレポート作成の効率化など、様々な業務改善が可能になります。ぜひ、自分の仕事に合わせてカスタマイズして活用してみてください！
Pythonの力を借りて、スプレッドシート操作をもっと簡単に、もっと効率的にしましょう!
